【2021年所感 ~近未来感がすごいのに~】
- 米子の在宅医療・緩和ケア よだか診療所
- 2021年1月4日
- 読了時間: 3分
更新日:3月8日
新しい一年が来ました。
2021年。なんだか、一歩踏み出した感のある数字です。
昨年は——コロナ、コロナ、コロナ。けれど、「コロナしかなかった」かと言われれば、決してそうではありません。
「この両腕で、今までなかったものを生み出していく」
かのイタリアの近代童話作家、ジャンニ・ロダーリが私たちに伝えたかったこと。
それは、「足りなかったものを、世界に生み出し続けること」。
✅ 自分たちで考え、取り組み、時にごちゃごちゃになりながら
✅ 焼き肉を食べ、小児と同レベルの仮眠をとりながら
✅ 仲間とまとめ上げ、文字通り叫びながら
✅ 一つ一つの答えを出そうと走り抜けた一年
そうやって私たちは、2020年を生き抜きました。
「やってみたこと」は、枚挙にいとまがない。
輸血、腹水穿刺、不思議なドレーン、カテコラミン——何だってやってみた。
・ 「これも在宅でできるんだ」と受け入れたことが、大きな収穫。
一方で、驚くほどのスピードで進む在宅中心静脈栄養の普及。気づけば、あっちにもこっちにも高カロリー輸液が。
なぜ、点滴は「受け入れやすい」?
「胃瘻より抵抗がないのかもしれない。」「点滴すると元気になる」というイメージが、これを後押ししているのかもしれない。
もちろん、経腸栄養の拡充が大前提。誤嚥性肺炎との付き合い方も、少しずつ見えてきた一年だった。
けれど、大きな課題は別にある。
それは、とてもシンプルで、普遍的な問いかけだった。
「ずっと一緒にいたい、いつまでも生きていてほしい」→ じゃあ、救急車を呼ばないといけないのか?
「こんな体で家族に迷惑をかけたくない」→ じゃあ、ずっと入院や入所をしていたほうがいいのか?
そんなに単純な話ではない。
「知性」と「寛容さ」をもって、問いに向き合う。
私たちは、こうした問いに対して、
✅ 理性的に、知見に富んだ視点で
✅ そして、寛容な姿勢で
向き合わなければならない。
「在宅医療のルール」は、実はシンプルなもの。
「こんな状態なのに家にいちゃいかん」——そんな決まりは、どこにもない。
大切なのは、個々のケースに対して、具体的に的確に考えること。
ピンポイントに分析する視点→ 「ここが凝ってるじゃん」
全体を受け止める姿勢→ 「まぁ、そうだよね」
その繰り返しが、「最適なケア」を生み出す。
冷徹な知性ではなく、人間臭い悩みに寄り添う。
在宅医療は、データやエビデンスだけでは語れない。だからこそ、寛容さを忘れずにいたい。
降っても、散っても——「いつもの場所で」生きる愉しみを。
誰もが、いつもの場所で過ごせる愉しみを。一人でも多くの人と、分かち合えるように。
書初め、してみました。

本年もよろしくお願いいたします。
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